ホラー

『フランケンシュタイン』のレビュー|親ガチャの失敗例

今回ご紹介する作品は『フランケンシュタイン』です。

どんな作品?

  • 生命とは何かを考える作品
  • フランケンシュタインとは?
  • 人間の醜さを描いている

作品情報

『フランケンシュタイン』

あらすじ

永遠の生命を追い求めるフランケンシュタイン博士は、いくつもの死体を組みあわせて人造人間を造り上げることに成功する。だが、その頭蓋に収められていたのは、殺人者の狂った脳髄だった。蘇った死体は怪物と化し、憎悪を滾らせ、博士に襲い掛かる。

出典:U-NEXT

作品概要

タイトルフランケンシュタイン
原題Frankenstein
監督ジェームズ・ホエール
脚本ギャレット・フォート
フランシス・エドワード・ファラゴー
ロバート・フローリー
キャストボリス・カーロフ
コリン・クライヴ
メエ・クラーク
制作国アメリカ
制作年1931年
上映時間71分(1時間11分)

ネタバレ注意

以下、『フランケンシュタイン』のネタバレが含まれます。

感想・考察

大前提として"フランケンシュタイン"とは、怪物を作り出したヘンリー・フランケンシュタインのことである。原作では主人公の名前がヴィクター・フランケンシュタインであり、本作は主人公がヘンリー・フランケンシュタインで、その友人がヴィクターという名前なので初見はちょっとだけ違和感がある。

本作におけるヘンリーの目的は一つ、命を持たない存在に命を与えるということ。大切な人を生き返らせたいとか、この技術を役に立てたいといった背景は特には見られない。ヘンリーの手足となって働いているのは、科学の知識などいっさい持ってなさそうな助手のフリッツ。死体の回収や脳の窃盗などの下準備は全てフリッツが行っている。ヘンリーはゲストの目の前で実験を主導して、死体に命を与える。成功した際には自分は神になったのだと大口を叩く。面倒なことは他人任せで美味しいところを全部持っていく。この時点で親としての器は感じられない。

物語の途中で見捨てられた怪物は部屋から脱走し、水辺で遊んでいた女の子と心を通わせるが、悪気なくこの女の子を殺めてしまう。この件で町民からお尋ね者として扱われるが、ヘンリーは自分も被害者だと言わんばかりの態度で狩りに参加する。最後まで自分のせいで関係ない人を巻き込んでしまったといった言葉はなかった。怪物側からしたら産んでなんて頼んでないのに産みやがっての感情だろう。もともとヘンリーにとっては世話でなく服従が目的だったから、親としての気持ちは一切なかったのだ。ヘンリーは賢い人間だっただろうが道徳心は持ち合わせていなかった。唯一ヘンリーを評価できるのは、死体集めのために人殺しを行わなかったことくらいだろうか。

ホラー映画として片付けるにはもったいないくらい、生命倫理に言及している作品でした。

『フランケンシュタイン』を視聴するには

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この記事の情報は、2025年1月時点のものです。最新の配信状況はお使いいただくサービスにてご確認ください。

オギナカ
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以上、『フランケンシュタイン』のレビューでした。

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