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『サンセット大通り』のレビュー|間違った愛情と優しさ

今回ご紹介する作品は『サンセット大通り』です。

どんな作品?

  • 未練を断ち切れずもがく人の話
  • ハリウッドに狂わされた二人
  • 狂気を感じるラストシーン

作品情報

『サンセット大通り』

あらすじ

ハリウッドの売れない脚本家ジョー・ギリスはある日、借金取りに追われて逃げ込んだ屋敷で、隠居生活を送る往年の大女優ノーマ・デズモンドと出会う。彼女から脚本の執筆を依頼されたジョーは、住み込みで働き始めるが、やがて生活の全てを束縛されてゆく…。

出典:U-NEXT

作品概要

タイトルサンセット大通り
原題Sunset Boulevard
監督ビリー・ワイルダー
脚本ビリー・ワイルダー
チャールズ・ブラケット
D・M・マーシュマン・Jr
キャストグロリア・スワンソン
ウィリアム・ホールデン
エリッヒ・フォン・シュトロハイム
制作国アメリカ
制作年1950年
上映時間110分(1時間50分)

ネタバレ注意

以下、『サンセット大通り』のネタバレが含まれます。

感想・考察

本作は、過去の栄光に縋りながら生きるノーマと、無い才能を開花させたいジョーが少しずつ破滅へと進んでいく様子が描かれている。冒頭ではまさかのジョーの遺体がプールに浮かんでいるシーンから始まる。破滅した状態を見せてから、どのように破滅していったかをなぞるという残酷な手法で物語はスタートする。この二人は泥沼から這い上がる術を知らずに周りを巻き込んで引きずり込むタイプの人物であり、お互いがお互いを引きずり合っている。自らを破滅させるだけではないところが本作の独自性だろう。ノーマとジョーのどちらか一方でも、現実を見つめて生活を変えればこんな結果にはならなかったのにと思わずにいられない。

ノーマが過去に固執してしまった理由は、まだ待ってくれている人がいると勘違いしてしまったからだ。その勘違いを創り出したのは紛れもなく、ファンレターを偽造していたマックスである。これはノーマを励ましたいというマックスの心からの配慮だったと思うが、これが物語の最悪の結果を招いている。マックスからすればノーマは元嫁であり、女優としての才能を見出した存在。返り咲いてほしいと望んでいたのはノーマ本人だけではなかったのだ。

この作品の語り手であるジョーは、死んでもなおプール付きの家に憧れているという描写がある。思っていることも全部ナレーションとして話すジョーが、無声映画で活躍したノーマと接しているのが皮肉が効いてておもしろかった。

サンセット大通り』を視聴するには

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この記事の情報は、2025年1月時点のものです。最新の配信状況はお使いいただくサービスにてご確認ください。

オギナカ
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以上、『サンセット大通り』のレビューでした。

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